(ネタバレあり)
ホテルの場面では、先に早苗を誘拐しておいてベッドに人形の首を置いて騙し、緑川夫人として明/智の前に現れ自分の全宝石と探偵という職業で賭けをするなどして時間を稼ぐ間に部下が早苗を運び出す展開は原作どおりです。 明/智の助手によってトランク詰めにされた緊縛・猿轡の早苗が救出されるシーンは原作にはないドラマオリジナル。 天/知/茂版でも同様のシーンがあり早苗役の加/山/麗/子はシュミーズ姿で色気がありましたが、白/本/彩/奈は呻き声と表情が良く私的には今作に軍配を上げたいと思います。
岩瀬邸から人間椅子のトリックで早苗を誘拐する展開は原作どおりですが、原作は椅子から現れるのは部下の男に対し今作および天/知/茂版では黒蜥蜴が自ら登場しており、これはドラマ版の方が良いと思います。
原作では船で黒/蜥/蜴のアジトに移動しますが、早苗を監禁している船室から声がする早苗には猿ぐつわをしてあるのにおかしいと部下から報告を受け、黒/蜥/蜴は明/智が船に潜入して人間椅子に隠れていると見破り椅子ごと海に放り込ませます。 このとき早苗は何度も猿ぐつわを外されては噛まされ、黒/蜥/蜴たちの会話で「猿ぐつわ」という言葉が頻出するのですが、残念ながらこの展開の忠実な映像化は見たことがありません。 (三/島/由/紀/夫の戯曲化による舞台や映画版にはもしかしたらあるのかも知れませんが未見なのでわかりません。)
人間椅子に隠れた明/智と黒/蜥/蜴の対話、明/智を殺したと思い黒/蜥/蜴が涙する展開はストーリーの肝なのでドラマ版でももちろんありますが、天/知/茂版では早苗は先にアジトに行っていて船におらず、今作では船上ではなく黒/蜥/蜴のアジト内での話になっていて、明/智役が船/越氏だけに椅子は“崖”から放り投げられます。
原作ではアジトに着いた早苗は全裸にされて檻に入れられ、天/知/茂版ではショーツ1枚の半裸で手枷と鎖で繋がれますが、今作では着衣のままロープで椅子に縛られています。 白/本/彩/奈嬢は美人でスタイルがよくDIDとしての怯える表情なども魅力的で、後半はずっと縛られたままで前・後ろ・横と色々なアングルからの映像があり、猿なしは残念ですが極上のDIDシーンだと思います。
今作はストーリーの基本部分は原作に忠実であり、ドラマ的なアレンジは天/知/茂版の良さを踏襲し、その他詳細は省きますが原作の不自然・不合理な点も改善されています。 そして何より魅力的な美女に短いながらも猿轡シーンと長めの緊縛シーンがあり、総体的にはとても良い映像化作品だったと思っています。
|